6被告人質問と情宣活動 04.11

 1〜3日、京都精華大学の学園祭に招かれて参加。当初の企画では、学長の中尾ハジメ氏と私の対談が予定されていたのだが、学長の都合により実現せず、再会のチャンスを逸した。
 2日目は高遠菜穂子さんの講演の後、ステージにナナオサカキ、ヨシダミノル、沢村浩行(サワ)、萩尾真(ナダ)、田村正信(アキ)そして私と、カウンター・カルチュアの古参が並び、約200人の学生と質疑応答を交わしたが、話が飛びすぎてまとまらなかった。
 3日目は司会を立てて議論をまとめ、私の詩の朗読と、「麻は世界を救う」という我田引水の論理で締めた。この席で私は桂川問題をアピールし、関西勝手連減刑嘆願の署名を集めた。

 署名運動については、相当数集めないと効果がないどころか、逆効果にもなりかねないので、既に200数十名の署名を集め、高裁に提出している安曇野勝手連の場合は有効だと思うが、全国勝手連の名でやる気はなかった。
 ところが一審から傍聴、救援を続けて来た関西勝手連が、第3回公判(11・24)に提出するための署名運動を開始し、同時に東では「インターネット有志の会」が署名運動に乗り出したのである。


「文化」の日

秋晴れの文化の日 学園祭の学生を相手に
西の大学では 全国勝手連の代表が
東の大学では 医療大麻の会の代表が
大麻の講演をして 大麻事犯の救援を訴え
関西勝手連と インターネット有志の会が
減刑嘆願の署名を集めた
    
意識を変える大麻が世界を救う はずだが
猛暑と台風による大凶作で
運動家自身が吸うブツもない
だが 北朝鮮大麻は大豊作だとか
密輸大麻のヤクザたちは大喜び
大麻が合法化されたら 金さんを招いて
ガンジャ・パーティをしてみたい
ついでにフセインを救出し ハタミも呼んで
「カンナビスカップ イン アジア」とか

石油に替わる「文化」の日
アメリカ帝国は ブッシュ大統領を再選した
    
04、11  京都


 『アナナイ通信・創刊準備号』は2ヶ月近くも発行が遅れたが、10月末に桂川印刷で、実父美岳氏をクマたちが手伝って印刷、1000部を発行した。(B5版 16ページ)
 内容は、丸井弁護士の「大麻取締法の根拠を考える」、桂川被告の「意見書」、私の「傍聴記」の他、「一審判沢文」「控訴趣意書」などを掲載した。
 『アナナイ通信・創刊号』は来春、判決公判直後に発行予定。判決次第で勝手連の出方も決まるでしょう。いよいよクライマックスです。創刊号の予約購読に協力してください。内容充実、32ページを予定。定価500円、〒140円。申し込みは下記へ。
 郵便振替 00500-2-81474
 アナナイ通信社 TEL 090-9668-4172

 障害年金暮らしの私の世話をしている上の娘は、津軽三味線のプロになり、このほど師匠と結婚し、自宅と道場を往き来している。
 結婚して静岡に住む元空中ブランコの下の娘には、5才の孫娘がいるが、第2子をこちらの助産院で産む気で里帰り中。そんなある晴れた日に、近くの自然動物公園へドライブした。


ラスト・マザーズ


子連れの行楽客が 自然に還る自然公園
小鳥のさえずる 紅葉の森に囲まれた
シャンティ広場は 芝生のベンチに
スポットが当たる 二人の女と一人の幼女

ガンジャの煙を吹きかけて 育てた娘たちは
ノースモーキングで ナチュラル・ハイ
姉妹同時妊娠で 胎内に宿る第2第3の孫
わが遺伝子を 未来につなぐ生命たち

突然 紺碧の空を引き裂いて
飛来する ジェット戦闘機の轟音
スポット・ライトに 爆弾が炸裂して
飛び散る肉片と 尾を引く悲鳴

ファルージャでは 病院が爆撃されて
沢山の女子供が 虐殺された
ブッシュ再選で 高鳴るは最終ゴングか?
孫の世代が 親になる時代はあるのだろうか?

04・11 寄居


11月24日、大阪高裁、控訴審第3回公判は被告人質問の第3ラウンド、傍聴席はほぼ満杯。今回の公判が最後のそして絶好のチャンスであることを百も承知の桂川被告の、緊張と興奮が伝わって来るような供述だったが、余計な発言はなく、丁重ではあるが相手の急所に的確なパンチを見舞っていた。例えば「バッド・トリップとは何か?」という検事の質問に対して、「それは深層心理が意識化されることによって生じるトラブルであり、人を捕らえて牢に入れるような人が大麻をやれば、バット・トリップは不可避でしょう」などと答えて、初老の裁判官を苦笑させた。 

 既に裁判所にあてた「意見書」において、「現行の大麻取締法は間違いであり、大麻事件にはどこを探しても犯罪を構成する因子はありません。したがって私は無罪です」と宣言している被告人にとって、不当にも彼を逮捕し、一年以上の長きに渡って拘禁して来た司法権力の走狗たちこそ“権力犯罪者”の名に値する者たちなのだ。
 そこで被告人は、裁かれる前に彼らを厳しく裁き、寛大なる処分によって彼らを諭し、論理的、道義的、心理的な自己の勝利を不動のものとしたのである。かくてこの公判は桂川直文氏にとって、生涯最高の晴れ舞台となった。



確 信 犯
   
   
法廷で真実を語れば 反省の色なしとして
重刑に処せられる以上 被告は心にもなく
大麻は有害だから 二度と吸いませんと誓って
予定調和的に 公判を乗り切り
さっさと牢屋を出るのが 賢明なのだ
従って大麻裁判とは 被告のウソを
法の権威で塗り固めた 茶番劇であり
国家レベルのペテンなのだと 被告人は語った
   
大麻ごときで国民を捕まえ 牢屋にぶち込むという
時代遅れの蛮行も それが先進国になるための
通過儀礼だと思えば あなた方お役人を
人権侵害や名誉毀損の罪で 訴える気はないが
こんな愚かな真似は 私で最後にして頂きたい 
坊主頭の被告人は 裁判官たちを丁重に諭すと
急所にボディーブローを見舞ったボクサーのように
拍手と歓声を背に 悠然と引き揚げていった
   
裁く前に裁かれてしまった三人の裁判官は
満員の傍聴席を前に ヒソヒソと額を寄せ合う
一審は問答無用で 実刑5年を食らわせたが
減刑嘆願など期待もしない 筋金入りの確信犯に
控訴審では 三度び発言を許したがために
大麻の真実が 公文書に記録されてしまった
さて 法の秩序と司法官僚の地位を賭けて
これからも白いものを 黒いと言えるだろうか? 
  
04,11,24 大阪高


次回公判は05年1月14日、検事側が出してきた大麻有害論の資料を、弁護人側が徹底的に反証することになる。
 大麻の真実と現実についての被告人の決定的な供述と、最近情報による弁護人側の膨大な論証がありながら、それでも一審と同じような判決しか出せないとすれば、それは司法の権威を裁判官自らが否定し、法治国家の基盤を崩壊させてしまうことである。
 さてそこで、05年春に予測される判決公判までに、司法権力を土俵際まで追いつめた桂川裁判の前代未聞の戦況を、一人でも多くの仲間たちに伝えねばならない。マスコミをあてにしないで、クチコミ、ミニコミ、インターネットなどを駆使して、桂川君の快挙を伝えよう。

 11月28日、東京国立のライブハウス“地球屋”にて、大阪の「せいかつサーカス」が年末の「ボンボン サーカス」の宣伝ライブを行ったので、私も詩の朗読と桂川裁判のアピールを行い、数十人の仲間たちの拍手喝采を受けた。東京は3月と6月の「新宿ロフト+ワン」のイベント以来、この年3度目のお目見得だった。